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【書評】USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

読書開始日

2017.11.7

もくじ

第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティングフレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?

まとめノート

個人の考え含む。
著者の意図がキチンと伝えられない可能性があるので、興味持った人は買ってみましょう。

第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり

マーケティングの役割

頭脳であり、心臓。
分析は、外部の立ち位置だけでなく、内部の有力者の考えも理解する必要がある。
最初にすべきは、戦術より戦略。
どう戦うかは後。どこで戦うかが先。
消費者の理解者で無くてはならない。
会社は集団である以上、しがらみを持ってしまう。(ルルーシュも言ってた!)
そのため、パワーバランスを考慮した妥協案になりがち。
利害関係を壊して、最適解を見つけ、周囲を説得して人を動かすのが、真の役割。

第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない

マーケティングは、アメリカの自由競争の中で生き残るために生まれた知恵。
(おばあちゃんの知恵袋のような感じ?)

日本では、発展しなかった。
なぜなら、下記の理由があるため。

  1. 自由競争ではなかった(規制が多い)
    既得権益を守るやつが必ずいる。(○医師会とか)
  2. 終身雇用バリア
    年功序列が根付いてしまった。マーケターは成功すると、すぐに昇進できるので、それを阻む勢力が多かった。
  3. 技術志向バリア
    技術を優先しすぎて、マーケティングを疎かにしてしまった。そのため、技術差別化ができなくなった。
    技術力向上は必要だが、全員が一定ラインに来ると差別化が必要だったのに、それをしなかった。
    日本は、そもそも競争が弱すぎたために起こるべくして起こった。

今の小学校の競争性の排除は、最終的に日本がツケを払う感じがする。
大人ほどシビアな競争はしなくていいけど、闘争心を持たせたり、勝つための方法を考えたりするのに、競争をして、大人になったときに競争の中で戦える準備はするべき。

そして、これから真の競争が始まると思う。(もう始まってるかもだが。。。)
マーケティング能力を持たない場合、国際競争力が弱くなってしまう。
マーケティングに成功するかは、日本の死活問題。
技術力が高いから、マーケティングが成功すれば日本も活躍できる。

第3章 マーケティングの本質とは何か?

マーケターとは、マーケティングできる人。
知っているだけではダメ。実行できる力が必要。
経営学部のマーケティングの教授は、研究者としてのマーケターであることを忘れてはならない。
競争社会にでれば、役に立たないこともあるから、適応能力が必要になる。

第4章 「戦略」を学ぼう

戦略的思考のメリット

選ぶことを覚えるので、リソースを集中投資する考えが持てる。
その結果、説得力の増加につながる。

戦略の定義

目的達成のため、資源の配分を決めること。
目的とは、達成したいこと。
資源は、使える金・人員。

戦略の必要性

  • 目的があるから
  • 資源は常に不足しているから、投資先を選択必要がある

足りない資源を投入先を絞ることで、足りるようにするのが戦略。

経営における資源

  • モノ
  • 情報
  • 時間
  • 知的財産・ブランド

資源は、認識してなければ使えない。
認識することで増やすこともできる。名将や軍師は、資源を増やすことが上手かった。

数的有利

数的有利は、大局の勝利を保証しない。
何を捨て、どこに集中するか選択し、数的有利を作る局面を増やすのが勝利につながる。
とりあえず全部勝つのは、戦略なき愚か者。
ただ、勉強は違う。捨てる選択ができなくなるので、知識は多いに越したことはない。

最も重要な資源

最も重要は、人。
なぜなら、人だけが経営資源を全て増減させることができるから。
逆を言えば、人が最も不足しているリソースでもある。
リソースとして最強であるが故、企業の成長を止める可能性がある。

人的資源を成長させる会社が、成長する会社。
そのために大切なのは、人事部。

目的と目標

目的:達成すべき使命で、戦略の最優先事項。
目標:目的を達成するための具体的な事柄。

日本は混合されがちなので、きちんと分けて考えることが必要。

戦略と戦術

コードギアスを見て勉強しましょう。
戦略:目的を達成するための手段
戦術:目標を達成するための手段

戦略は大事だが、戦術の積み重ねにある。
戦術が弱ければ、戦略は成功しないことを肝に銘じる。

コードギアスだと、ルルーシュは戦略重視だったが、コーネリアとの敗北から戦術の重要性を理解するわけですね。
そして、黒の騎士団を結成し、戦術能力を向上させて戦略を引き出せるようにして大きく躍進。
だが、ランスロット(スザク)の圧倒的戦術に負けることが多かった。
対策を練ることで勝利できそうなことはあったが、そもそも目的が覆ることと重なるため、勝利にならなかった。
そして、皇帝になって、圧倒的物量と最強の戦術能力を持つスザクを得たことで、不敗になるわけですね。
戦術と戦略がバラバラに存在していたときと、一緒になったときの対比が良かったと思うよ?
あと、だいたいルルーシュが戦術を軽んじると負ける。

物事を考える順番は、目的→戦略→戦術
最初に目的を決める。目的のために戦略が存在するので、目的が変わってはいけない。
変わったら、戦略も変わる。
これは戦略と戦術の関係も同じ。

上層の戦術と、下層の戦術は違う。
当事者の視点レベルで、戦略が戦術になったりすることもある。

戦略は誤ってはいけない。
なぜなら、強い戦術で誤った戦略だと、間違いに気づかずに目的から離れることが多い。
日本の失敗する企業の典型例だね。。。
戦略が正しければ、目的から大幅にズレることはない。
ただ、戦術が弱いと、結果は最大化されないことを頭に入れておく。

良い戦略の見分け方

  • selective:やるやらを明確に分けたか?
  • sufficient:投入された資源が、戦局の処理に十分か?
  • sustainable:中長期的に継続可能か?
  • syncronized:特徴を有効に使ったか?

全てあてはまる必要はない。
あくまで目安。これで行動できなくなるのはNG。

良い戦略を立てるには、情報を得て、相手と自分の特徴差を有利に活用させることが良い戦略。

第5章 マーケティングフレームワークを学ぼう

戦況分析

市場構造を理解して、味方につけるためにやる。
市場構造に逆らうのは、エネルギーが膨大にかかるので、理解する。
ただし、無理ではないので、どう使うかはよく考える。

5C分析

戦略分析の考え方。

  • company:自社理解
  • consumer:消費者理解
  • customer:流通理解
  • competitor:競合理解
  • comunity:地域社会への理解

自社理解は大切。なぜなら水の流れに逆らうことになるため。
なるべく、流れにのってやるのが、効率的。
消費者理解は、量と質で理解する。一方だけみるのは、理解できない。
消費さえ理解してないものに事実を見抜く。
流通理解するのは、リスクヘッジに近い。
パートナーでもあるが、競合相手であることを意識しておく必要がある。
競合理解は、広義の競合を理解することで、目的の明確化に役立てる。
地域社会への理解を行う意味は、コントロールできないもの(世論や倫理など)を見方に付けるため。
コントロールできないので、モニタリングが必要。

目的の設定

実現可能性

目標は、高すぎたり低すぎたりたりしてはいけない。
高すぎれば、戦略の立てようがない。
低すぎる場合、努力する機会が失われる。

シンプルさ

要素が多い複雑な目的は、戦略・戦術まで複雑になってしまう。

魅力(カリスマ性)

人的資源を増大できるか?
上からの目的を自分たちに合わせて再定義することが出来るか?

WHO(誰に売るか)

消費者は選ぶ。
万人受けするものを作ることは、かなり難しい。
万人受けをしようとした結果、へんな機能が山盛りの製品ができたりする。
限られた人に投資すれば、勝てるラインに届きやすくなる。

戦略ターゲットとコアターゲット

戦略ターゲット

予算投入する大きな括り。
目的達成できるターゲットである必要がある。
小さすぎると、非効率になる。

コアターゲット

戦略投資の中でも、集中投資するもの。
小さすぎるのは、NG。
戦略ターゲットとの違いを明確化する。

消費者インサイト

消費者インサイトとは、隠された真実のこと。
強い消費者インサイトは、知性や感情をエグルため、拒絶から入る事が多い。

WHAT(何を売るか)

選ばれる必然を作る。
競合との相対的な位置づけを作り、ブランドに対する認識をさせる。

HOW(どうやって売るのか?)

WHAT・WHOを届ける仕掛けを作ること。

マーケティングミックス(4P)

  • product
    顧客に提供するものを決める。技術志向だと機能しないことがある。WHATを明確にすることが大事。
  • price
    目指すものに適した価格設定
  • place
    販売方法
  • promotion
    効果的な宣伝。自分のセンスより消費者視点が必要。

第6章 マーケティングが日本を救う!

日本は、高信頼社会で形成されている。
自己啓発に近い記述になっているので注意

価値の共有

日本人は、一人が大勝ちするのに罪悪感を感じることがある。
嫌儲に近い。
金持ち一人を作るより、全員で豊かになったほうが、社会的にはいいはず。
ただ、世の中の多くは、そうなってないので、気をつける必要がある。

豊かである

ゆとりがあるので、信頼もできる。
これは海外に住まないと分からない。
旅行に行っただけでは、人生なんて変わらない。

情緒が最大の強み

日本は、戦術面に強いが、情緒がブレーキになり、効果的な戦略が取れないことがある。
もしかして、AIによるマーケティングの効果を最大限に活かせるのは日本?

戦略がないことが多いのが、日本人の特徴。
合理的に準備してから、情緒的に戦うのが必要。
戦略段階では、なるべく情緒を排除。

第7章 私はどうやってマーケターになったのか?

成長が望めない時代は、人事コストの最適化で終身雇用は終わる。
それによって、企業に必要なスキルを持った人に値がつく。
だから、必要となるスキルを見極めて、身につける努力が必要。

第8章 マーケターに向いている人、いない人

リーダーシップの強い人

リーダーシップとは、人を動かして結果を出すこと。
起点になって何をやったのか。
やっていたことが重要ではない。
野球部で主将をしたからといって、リーダーシップがあるとは限らない。

考える力(戦略的思考)の強い人

知性が必要になる。
大学の偏差値と知性は、相関関係が高い。
企業が大学出身しか取らないことがあるのは、高い知性を持った人の釣り場を作りたいから。
今後、人が少なくなれば、真に知性の高い人を振り分ける考えが必要になりそう。
東大出だからといっても、おかしな奴はいる。
子どものときから、戦略的に考える思考を付けさせることが、今後必要になってくる。

人の心を読める人

判断や調査の時間を減らせる。
社交的で人気者がなりやすい。
なぜなら、人を見たり接したりしないと、社交的になったり、人気が出たりはしない。

精神的にタフ

戦略の中心にいるため、成功と失敗がわかりやすい。
失敗や挫折が多く、不安の中で過ごすため、ストレスとうまく付き合う必要がある。
優等生すぎると、挫折したときに崩れる。
個のプライドを捨て、プロのプライドを持つ。

第9章 キャリアはどうやって作るのか?

会社名で選ばず、自分にあったスキルを伸ばしてくれるところを選ぶ。

弱点克服は、たいてい上手く行かない。
弱点として指摘されるのは、いつのコミュニケーション(笑)

克服すべき弱点とは、強みを阻害している弱点。
強みと関係ない弱点は、克服しにくく、メリットになりにくい。
克服しても、効果が現れるまでにはタイムラグがある。
変われないのは、タイムラグに耐えられていないことが多い。

自分の強み

強みを見つける時は、他者と比較しない。
他人と比べると、劣等感が強く出てしまい、分析にならないことが多い。

感想

コードギアスの話が多くなってしまった感。
最後の方は、自己啓発に近くなっているので、注意しなければいけない。

書いて有ることは、効果的にリソースを使いましょうってことだけだが、それはできてないことが多い。
特に日本人は。
商売だけでなく、いろいろなところに適用できそうなレベルで記載されており、ちょうどいい抽象度合いだった印象。
技術志向が強いので、それがデメリットになることを知ることができたのが収穫かな?
業界の流れを読んで、身につける技術選定にマーケティングが利用できるのではないかと思考中。
将来性を考えたら、身につけておきたいスキルだと思う。
たぶん、AIの代価がかなり難しい領域だから。