概要
- 日時
2016-07-11(月)19:00 - 21:00 - 場所
マイクロソフト品川本社 - イベントサイトURL
【東京】JJUGナイトセミナー Java API訴訟問題を考える - 日本Javaユーザーグループ | Doorkeeper - togetter
JJUGナイトセミナー Java API訴訟問題を考える #jjug - Togetterまとめ
イベント趣旨
2012年、OracleはGoogleが「Android OSにおいてOracleの著作権や特許を侵害している」として訴訟をおこしました。
その後、Googleによる著作権侵害が認めらえたあるとされたものの、2016年5月には「フェアユースの範囲である」とされました。
この件について考える勉強会を行いたいと思います。
内容
初のMS開催!
日本マイクロソフトで初開催。
久々に行ったけど、場所は案外覚えていて、方向音痴だけど迷わず行けた。
品川の人混みは、ちょっと吐き気を催す。
そこには。
寺田さんが元気に会場整備。
あまりに違和感がなく、最初は気づかなかった。
心なしか、元気そうであった。
Oracleが訴えるまでの経緯について~SunとOSSとIBMとAndroid~
www.slideshare.net
Javaのエコシステム
- 標準仕様と各社別の実装
- 仕様の策定がオープン
- 仕様はJCPを通じて作成
- 標準認定にはSunによるテストが必須&お布施が必要
今のOpenJDKやOracle提供のJDKしか知らなかったが、昔はベンダー各社で提供がされていたのか。
アンチMSの考えが発端にあるのは、なんとなく理解できる。
OSSのエコシステム
Apache Software Foundation
1999年設立されたオープンソースを支援する任意団体
Apache Software Foundationの元、色々なOSSが開発された。
Struts, Tomcat...etc
また、基本的にAL2.0で商用利用可・非公開OKが魅力的だった。
IBMとASF
OSSを戦略的に活用して、IBMが飛躍
OSSで実装を共有し、標準化
実装ベースでの標準化に成功
コミュニティベースのイノベーションが起こり始める
JavaとOSS
- 2005年5月 Project Harmony提案
- 2006年10月 ApacheHarmony爆誕
- 2006年11月 Sunが反抗してJ2SEをOSS化
- のちのOpenJDK
- ただしGPLv2(コード公開義務あり) → ベンダーの不満が溜まる
- 2006年 Sum vs Harmony
- Harmony:制限外せ!!
- Sun:やだ!! → お布施が欲しい?企業の財政的に厳しかった裏がある?
- 2007年8月 SunがTCK*1を公開
意外と子どもっぽい言い争いな気がしてきた。
牛歩戦術って単語が出てくるのでは?と期待してしまった。
AndroidとJava
2005年頃からGoogleがAndroid戦略として動き出す。
目的
- 打倒MS
- OSSによるキャリアとメーカーへの価値提供
- ユーザの囲い込み
Androidの普及
- 無料で使えるOSにベンダーが乗っかる
- ソフトウェアの対価よりユーザ数が欲しいGoogle
両者の思惑が一致したために、普及した。
Android以後
Sun の OSS 戦略は失敗
- 2009年4月20日に Oracle に買収
- 2010年8月、Oracle が Google を提訴
- 2010年10月、IBM が OpenJDK に参加
- 2011年11月に Harmony は活動停止
個人的な考え
GoogleによるJavaの分断は、SunがJavaを完全OSS化しなかったための流れ。
本来はプラットフォームで分断化されるリスクは最小化すべきだと思いました。
※分断の意味があっているか、若干不安。。。
この流れを知ったうえで、裁判を起こしたOracleを見ると、
Androidへの嫉妬な気がしてならない。
(JavaMEより成功しているのが気に食わないのかな???)
AndroidをJavaMEにしちゃて、取り込んじゃえば?って思わなくもない。
そもそも趣向が違うので、無理な話かも知れんが。。。
歴史的な背景は、これにて終了!
Oracle vs Google訴訟の全貌と概要 ~APIは著作権で保護されるべきか~
www.slideshare.net
Oracle vs Google 裁判の論点
法律議論の注意点
- 解釈論
法をどう捉えるか - 立法論
どういう制度であるべきか
法律を語るには、両者を区別する必要がある。
今回は、解釈論について。
著作権とは
著作物の利用について、一定期間の独占権を認めることが、著作権の目的。
法律では、保護と利用のバランスを取ることが大切。
著作権の大原則
- 申請しなくても創作したら自動的に生じる
- 表現を保護するものであって、アイデアを保護するものではない
超そもそも論(立法論)
なぜプログラムは著作権で保護されるのか
本来は、芸術のための法律で、技術分野とは縁が薄かった。
1980年代にソフトウェア発展とともに、保護が急務になった。
なので、やっつけで芸術と一緒にされてしまった!!
日本は、別アプローチで法の保護をしようとしたが、米国のご威光で同じく一色単に!
日本と米国の裁判の違い(Break Time!!)
日本
法律を重視。 → 解釈論を優先する
裁判結果は予測しやすいが、技術変化への対応が遅い。
徳川200年の歴史を持つからなのか?
法を守ることに重きをおく。
法を作る人間が優秀で迅速に行動できる人である必要があるな~と、今更なが思う。
米国
公正さ(フェアユース)を重視 → 技術変化への対応が早いが、裁判はやってみないと分からない
さすが、自由の国!
自由競争が重視されたからこその考えかもしれん。
国民性がでるなと感じた。
米国のフェアユースの考え
社会にメリットがあると判断されればフェアユースとなる
例
同人誌を訴えたが、同人誌のおかげで売れるようになった → フェアユースが認められる
ベータマックス裁判でのタイムシフト録画 → 市場に害があるとみなされないためフェアユース
※日本だと法律に書いてあるので、合法
ベータマックスが、ベイゴマックスに聞こえてしょうがない!(余談)
米国は、裁判の結果が法律化するので、技術変化への対応が早くなる仕組み。
フェアユースの両者の言い分
Oracle
訴訟戦略
陪審員が技術系のトーシローなので、感情に訴えて勝つのが、戦略としてあるらしい。
ここは、日本の水戸黄門のライターの出番な気がしてならない。
Googleは、そういう点だと、非常に有利かな~と思った。
Google検索は便利だし、利便性の良いサービスをフリーで提供してくれるし。
FinTechでますます世間の印象がいい。
Oracleがかなり不利な気がする。
ただし、日本では感情論に訴えても意味が無い。法が絶対だから。
Q&Aであった面白い考えや意見
今後のスケジュールは?早くて何年に終わる?
早ければ2、3年で決着
それまでの間、Javaが停滞しないか、ちょっと心配。
コミュニティから裁判するなという働きかけはなかったのか?
Oracle の人気がなさすぎて『何やってるの Oracle』という考えが主流だった
APIの著作権を認めることでAPIヤクザがでるのでは?
何がいいたいかというと、APIを広めて、広まったタイミングで訴訟を起こす。
さそがにそれは止められるだろうという考えだった。
個人の考え
Googleがかなり有利だし、勝って欲しい。
感情論かもしれないが。
Javaをプラットフォームとして普及されるなら、もっと普及させる努力をOracleにはして欲しい思いが強い。
できれば早期解決を願う。