ITロードマップ 2016年版―情報通信技術は5年後こう変わる!
- 作者: 野村総合研究所デジタルビジネス推進部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/03/11
- メディア: 単行本
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読むに至った背景
技術者である以上、技術に疎いのは致命的と思い、ロードマップを読むようになった。
自分に足りないものを見つける意味でも、こう言ったロードマップ系の本に目を通すことは重要だと感じたため。
内容
()内は、思った感想。
2015年ITロードマップ総括
人工知能の年!
ディープラーニング、ニューラルネットワークの登場
AIを活用した産業の登場
人工知能がハードウェアにも影響を与えている。
大きなビジネスチャンスが生まれつつある。
2019年に向けた情報技術
O2O*1の台頭
消費者にあった情報を提供する精度が向上している。
今後、生体情報を利用した訴求が登場する可能性大。
モバイル決済
モバイル端末の普及期が終わり、それを使ったサービスに注目が集まっている。
トークン化技術、指紋認証技術が普及し、金融機関のシステムに24時間稼働が求められつつある。
ウェアラブルの台頭
BluetoothLEによる省電力性能の向上で、ハードの制限が緩和されつつある。
小さいがゆえのデメリット(操作しづらい)が解消されれば、爆発的に普及する可能性大。
(TEDでモーションで操作するハードの紹介を見た気がする。意外と近い将来、この問題は解決されるのかも)
SDx*2による次世代基盤の幕開け
大きく分けて、以下の種類がある。
- SDC:サーバ管理
- SDN:ネットワーク管理
- SDS:ストレージ管理
- SDDC:すべてのものを統括管理
(SDと聞くと、ストラクチャーデッキを思い浮かべるのは、遊戯王脳だからか。)
メリット
- エンジニアの張り付きを回避。(見てるだけは、楽そうだけど苦痛なのよ)
- ソフトウェアがコントローラとなって自動設定・制御
人による難解な設定が少なくなり、人的ミスの減少、構築・運用負荷の軽減が見込める
SDN以外は仕様が統一されていないのが現状。
標準化されれば、効率化が大幅に計れる。
IoT
モノを安く提供して、得られたデータを活用したサービスで収益を得るモデルを作ることが重要。
大量のデータが発生するので、一時処理、端末管理が必須になる。
分散型データ処理アーキテクチャができることがIotの必須課題。
最終的に、他社を巻き込んだサービス展開ができるようになると、勝ち組!
(これは、IFTTTが上手いこと取り込んでるなと感じた。似たようなサービスが乱立するのではないかと感じる。)
マーケティングソリューション
どのような顧客が、いつ・何を欲しているか把握することでビジネスとして成立する分野。
各部門が連携して対処することが重要。
理想を追うよりも、成功を収めることが重要。
マーケティングソリューションを構成する要素
- キャンペーン管理
- eメールマーケティング(ウザいメルマガが多すぎだけど、それはマーケティングしてないからだと思いたい!)
- マーケティングの自動化・意思決定の支援
2030年のIT
RINコンピューティング
下記3要素の進展によって実現するITの姿のこと
- 実世界と仮想世界の融合(あらわれでちゃえ)
- インテリジェント化
- ナチュラルデザインUI
実世界と仮想世界の融合
実世界の事象を的確に捉えて、サイバー世界に反映することで高い付加価値を生む。
センサーとネットワーク機器が融合したチップの登場で、現実味を帯びてきた。
インテリジェント化
機器に情報制御機能を持たせること。
機械学習手法が必須になる。
ナチュラルデザインUI
キーボード&マウスからの脱却
実現することで人の能力拡張ができるようになる。
4次元企業の登場
サービス + ものづくり + ITでビジネスする企業のこと。
自社サービスにRINコンピューティングを乗っけただけでは、既存の枠組みを超えられないので、不十分。
他社との連携が重要になってくる。
期待されていること
- サービスの高度化
- 新技術・サービスの創出
- 産業の創出
5年後の重要技術
人工知能
AIを支える主要技術
対処するデータが増えるので、PCが自動判断・ルールの作成できるようになるのは必須。
ディープラーニングをどうやって活用するかが課題。
ロードマップ
- 音声認識
- ディープラーニングによって誤認は改善傾向
- 外部ノイズには依然として弱い
- 言語モデルによる精度向上に期待
- 画像認識
- ディープラーニングによる人以上の認識率が可能になってきた
- 工業製品の検査への投資が流行
- 事前言語処理
- グーグルが発表したword2vecで単語の計算が可能になった
- 未知の単語への対処が可能になった
カスタマーエクスペリエンス
顧客の感情的な経験を利用してサービス付加価値を高める。
(このやり方を外道!っておもったのは俺だけ?)
カスタマーエクスペリエンスに影響を与える考え
- オムニディレクショナル:顧客との接点数。多いほどいい。他社を利用する。(まさに外道!)
- ポリモーフィック:接点の形。なにを利用してサービスを利用しているか。ドローンやIT装備の自動車も含む。
- プロアクティブ:顧客に言われる前に対処すること。
カスタマージャーニーマップ
Webサイトでのカスタマーの動きを可視化したもの。
APIエコノミー
各社が提供しているAPIを連結して使用するAPIのこと。
普及すれば、オムニディレクショナルがしやすくなる。
課題として、送受信形式の業界標準の作成、不正アクセス対策がある。
複合的なIT活用による新サービスの可能性
FineTech
金融(Finance)と技術(Technology)の造語。
金融に技術が掛け合わされて生まれたサービスを指す。
法令・制度の整備が急務で、消費者の保護が課題。
FineTechの推進要因
- リーマン・ショックによる金融機関離れ(あんまり日本は関係ないけど。。。)
金融機関への信頼が薄らぎつつある。 - 生活者の行動様式の変化
- 実店舗での決済減少
- モバイル決済の増加
金融機関が生き残るためにも、IT技術力を持った企業との連携が急務になっている。
日本も例外ではなく、遅かれ早かれ必要になるもの。
関連技術
- ブロックチェーン
P2P技術を流用した分散型ネットワーク
BitCoinの正当性は全員で確認する手法が一般化しており、必須化している。 - オープンAPI
銀行のAPI公開の流れあり。
各銀行の口座情報を俯瞰して俯瞰できるようになり、新たなサービスが生まれている。
金融業のトップダウン型の支持方式からSIerにワンチャンあり。
デジタルマーケティング
デジタルメディアを通じて、製品のマーケティングを行うこと
主要となるマーケティング
- ペイドメディア:購入するメディア。広告
- オウンドメディア:所有しているメディア。メルマガ、Webサイト
- アーンドメディア:共感を得るメディア。ブログ・SNSなど。
感想
一個人が対応するには、難しい課題が多い。
ただ、WebAPI関連の設計の重要性が増していると感じた。
できれば一度やってみたい。
あとは、はやめにSDx系の記述のキャッチアップをしたい。
マーケティングは、分野が違いすぎて手を出せない。
分析結果について討論すると面白いのではないかと感じた。